OVER WHITE (終)
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『OVER WHITE ― Cantelisyum ―』(終巻) 本作は『WHITE ALBUM 2 -closing chapter-』 風岡麻理ルート後の世界線を基点とした、 長編二次創作『OVER WHITE』最終巻にあたる一冊です。 文庫判/426ページ。 上巻『Mimelodia』が、 模倣としての祈りを描き、 中巻『Rezonique』が、 感情の共鳴と揺らぎを描き、 下巻『Echowunsch』が、 救済へ至らなかった祈りの残響を描いたとするなら、 本作『Cantelisyum』は、 壊れた幻想のその先で、 なお現実の中に残り続ける愛を描く巻です。 穢れていないことは、 無垢ではない。 触れられずに守られた理想は、 時として、生きた他者を見失う。 愛は、保存されるものではない。 傷つき、変質し、 それでもなお他者へ差し出されることで、 初めて現実になる。 本作では、 「処女性」 「純潔」 「理想の女性像」 そうした幻想を巡る問いが、 物語の中心として提示されます。 それは断罪ではありません。 幻想を壊すためではなく、 幻想の外側にも、 現実の幸福は存在しうるのだと、 その痛みごと肯定するための問いです。 正しさだけでは、人を愛せない。 理想だけでは、共に生きられない。 感情はやがて社会語へ翻訳され、 痛みは構造の中へ組み込まれていく。 それでも。 それでもなお、 人は他者を求める。 本作は、 原作の恋愛ADV的展開とは異なり、 多視点・多層構造で描かれる文芸寄り群像劇です。 オリジナルキャラクターを含む構成となります。 これは、 祈りの終着点ではない。 壊れた後、 なお現実に立ち続ける者たちの記録。 響きは残る。 ただそれは、もう幻想の中には存在しない。


